ペットと一緒に暮らすお部屋の空気には、目に見えないさまざまなものが漂っています。代表的なものは被毛・フケ・皮脂・におい成分・トイレ周りのアンモニアなどです。掃除機をかけるとダストボックスがすぐいっぱいになるというご家庭も多いのではないでしょうか。

これらの細かな汚れは床だけでなく、空気中にも舞い上がります。特に、換気が少ない季節や締め切ったお部屋では、空気中のペット由来の微粒子がエアコンの吸い込み口へ集中しやすい状態になります。その結果、フィルターやエアコン内部に通常より早いペースで汚れが蓄積していきます。

見た目にはそれほど汚れていないように見えても、カバーを開けると「思った以上に毛やホコリが絡みついている」ということも珍しくありません。

エアコンは、部屋の空気を吸い込んで冷やしたり温めたりし、再び室内へ吹き出す仕組みになっています。そのため、フィルターや熱交換器（アルミフィン）、送風ファンには、ペットの毛・フケ・皮脂汚れ・ハウスダストがどうしても蓄積していきます。

これらの汚れがたまると、次のような問題が起こりやすくなります。

・においの元になる
皮脂やフケなどの有機物は、時間とともに酸化して独特のにおいを発生させます。エアコンの風に乗って部屋中に広がるため、「ペットのにおいが部屋から抜けない」と感じやすくなります。

・カビや雑菌の温床になる
ペット由来の汚れはカビや雑菌にとっては“エサ”になります。冷房や除湿でエアコン内部に結露が発生すると、湿気と汚れが合わさり、カビが増えやすい環境ができてしまいます。

・冷暖房の効きが悪くなる
ホコリや毛がアルミフィンに貼り付くと、熱の伝わりが悪くなり、エアコンの効率が低下します。その結果、設定温度までなかなか届かず、電気代が無駄にかかってしまうことにもつながります。

ペットの抜け毛やフケ対策として、こまめに掃除機をかけたり、コロコロで床やソファをお手入れしている方も多いと思います。しかし、実は床の掃除だけでは、空気中を漂う細かなホコリや毛までは完全に取り切ることができません。

エアコンは部屋の高い位置に設置されていることが多く、空気の流れの中で、天井付近にたまりやすいハウスダストを繰り返し吸い込み続けることになります。床はきれいでも、エアコン内部には予想以上に汚れが蓄積している、というケースが非常に多いのです。

高槻市・茨木市を中心に北摂地域でお伺いしていても、「普段から掃除をしているのに、エアコンの中を見てびっくりした」という声をよくいただきます。見えるところと見えないところでは、汚れ方に大きなギャップが生まれがちです。

ペットと暮らすお部屋でエアコンを少しでも清潔に保つために、ご家庭でできることもいくつかあります。

① フィルターをこまめに掃除する
ペットの毛が多いご家庭では、フィルターにホコリがたまるスピードも速くなります。1〜2週間に一度を目安に、掃除機でホコリを吸い取ったり、シャワーでやさしく水洗いしてしっかり乾かしましょう。

② 室内の掃除と換気をこまめに行う
床やカーペット、ソファ、ラグなどについた毛やホコリを定期的に取り除き、空気中に舞う量を減らすことも大切です。また、天気や季節に応じて換気を行い、こもった空気を入れ替えることで、におい対策にもつながります。

③ ペットのブラッシングを習慣にする
抜け毛の多い時期は特に、外や浴室など掃除しやすい場所でブラッシングを行うと、室内に舞う毛の量を減らすことができます。

ただし、これらの対策を行っていても、エアコン内部のアルミフィンや送風ファン、ドレンパンなどは、ご家庭の掃除だけではどうしても手が届かない部分です。外側やフィルターがきれいでも、内部に汚れが残っていれば、においや空気の汚れは完全には解消されません。

ペットと暮らしているご家庭では、エアコンクリーニングのおすすめタイミングも少し変わってきます。

・使用年数が3年以上で、一度も分解洗浄をしていない
においが気になる、吹き出し口まわりが黒っぽく見える場合は、一度プロによるクリーニングを検討されると安心です。

・冷房や暖房をほぼ一年中使っている
ペットがいると、夏も冬も室温管理が欠かせないため、エアコンの稼働時間が長くなりがちです。その分、内部汚れもたまりやすくなるため、1〜2年に一度のペースで内部クリーニングを行うと、空気の質を保ちやすくなります。

・ペットや家族の健康が気になる
においやハウスダスト、カビの心配がある場合は、早めにエアコン内部を一度リセットしておくことで、日々の暮らしの安心感もぐっと高まります。

プロのエアコンクリーニングでは、エアコン本体をしっかり養生し、専用の洗浄機と洗剤でアルミフィンや送風ファンの奥にたまった汚れまで高圧洗浄します。「風そのものが軽くなった」「ペットのにおいが部屋にこもりにくくなった」というお声も多くいただきます。

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